2014.03.16
季節外れの初夏のような陽気が続くここフランスでは一年前のちょうど今頃、大雪でパリの街が完全に交通マヒしていたなんて信じられない感じだ。しかし、そのおかげで、先週いよいよ大気汚染注意警報が発せられた。パリ・リオン・ボルトー・ストラスブルグ・・・フランスの大都市の映像がTVに映し出されると、どこも霞みががって何も見えない。さすがにこれはヤバイ! と感じたのは私だけではないはず。金曜日から週末明けまでメトロやバスなどの公共乗り物をすべてタダにして出来る限り自家用車による外出を控えさせようと政府はすぐに行動を起こした。パリジャンたちはパリ市が運営するシェア自転車の”ヴェリーヴ”や電気自動車によるカーシェアの”オートリーヴ”で通勤をはじめた。しかし、多少の改善はみられたものの、相変わらず渋滞に見舞われるパリでは、いよいよ明日の月曜日の朝5:30から車のナンバーを偶数・奇数に分けて制限することが急遽決まった。「政府が決めたことだから仕方ない。でも明日は17日だから奇数日。私の自家用車は偶数だから使えない。まぁ、たまにはこんな制限がなければ車を当たり前のように使うからいいかも・・・」と年配の男性。「困ったわ! パリの郊外に住んでいるんだけど公共の乗り物なんかで通勤したら一時間半もかかってしまう。カーシェアなら3人以上はOKということらしいから近所の人たちと相談してカーシェアするしきゃないわ。」と若い女性。「冗談じゃない。車を使っての外回りの仕事だからこんな制度を一方的に行使しようとする政府は何を考えているのか! 仕事を取り上げるつもりなのか!!」と怒り狂うセールスマン風の男性。そんな国民の声などどこ吹く風。「大気汚染をこのまま放っておいたら健康に被害を及ぼすだけ。国民の健康維持のためには、これしか解決方法はありません!」。社会党のオランド政権、来週末に地方議員選挙が迫っている。そんな選挙戦が繰り広げられている真っ最中に下された判断だった。
写真 大気汚染による公害がピークに達した金曜日の午後、パリの街中は普段、自転車通勤などしたことないようなおじさんまでもが慣れない姿でペダルを漕いでいる。勿論、ヘルメット着用も忘れない・・・!!