2013.06.13

別れはいつも淋しい。でもそれは、また新しい出会いの始まり! ―最後は凱旋門の前で再会を約束。

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別れはいつも淋しい。でもそれはまたいつの日か次に会う時のためのもの。髙木さんありがとう、フレデリックありがとう。「今回来てくださったお客様が、全員間違いなく”おいしかった”って笑顔で帰ってくださったこと。それが次につながることです。」

 

『京料理 たか木』  〒659-0092 兵庫県芦屋市大原町12−8  電話:0797-34-8128

『Restaurant   Frederic SIMONIN』       25, rue Bayen  75017 Paris     電話+33-1-45-74-74-74

 

 

 

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2013.06.13

ディナーは『アミューズ+5皿+プレデセール+デセール』 ―ふたりの友情が詰まった献立

 

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朝から夜まで厨房内は濃密なやりとりで張りつめている。でもこんなオチャメな一面も。髙木さんもフレデリックもとっても楽しそう!!

 

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料理人にとって良い食材に出会えることは一生の友人に巡り合えたようなもの。今回もたくさんの生産者たちがふたりを応援してくれた。心からありがとう。

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日本とフランス、和と洋、でも心はひとつ。おいしいものを追及する気持ちに国境はない。厨房のなかは日本の物やフランスの食材が混在している。そう何の不思議もなくごくごく自然に。

 

こうして一週間、いろんなことがあった。二人三脚で創作したディナーはご覧のとおり。ふたりの思いがぎっしり詰まったメニューにふたりはとても満足している。特にフレデリックが神戸の高木さんの店に行ったときに食べた「白みそ仕立てのオマールエビ」と「キャビアとかぶら」についてはフランスの高級食材が日本食材とこれほどまでにぴたりとマッチすることに驚きを隠すことができないほど狂喜していた。だから今回のコラボが決まったときにフレデリックが唯一、髙木さんにお願いしたのは白味噌とかぶらを作って欲しいということだった。それ以外はふたりはまったく自由な発想でお互いがやりたいことをやり、作りたいものを自由に作りあった。それが結果的に山下さんのカブが使えることになったのは何ともラッキーなことだった!「白味噌も神戸で食べた時にはこってりしていたのにどうして今回パリではさらっとしているの?」「神戸では3種類の味噌を混ぜ合わせたけど、パリでは一種類しか持ってこなかった。だから出汁で伸ばすと余計に薄く感じてしまったのかもしれない。」「こってり感を出すためにオリーヴオイルを垂らしていたのは新鮮だ。出汁がなければフュメ・ド・ポワッソンでも代用できるよ。」・・・こうした会話が延々と続いていく。ふたりはさらなる新しいステージに飛び出そうとしている。

振り返れば髙木さんは今まで純粋な日本料理の世界で勝負してきた。しかし普段、神戸にいる時もフレンチのシェフやパティシエとコラボしては定期的に勉強会を開いてお互いに切磋琢磨している。また料理人の社会的地位を向上させようと料理を通して社会貢献もしたいと小学校に定期的に通って「出汁の取り方」を子供たちに教えている。またフランスの一流シェフたちが来日すれば積極的に参加して親交を深めている。こうした異文化に興味を持つこと、常に好奇心旺盛にネットワークを張っているところは実は彼の師匠でもある、今年85歳になる佐名木猛氏の影響が大変大きいという。時代の寵児として常に西洋の食材を和食の世界に大胆に取り入れてきた佐名木氏は時代を先取りする目をもっていた。また独特の目利きとして器の世界でも異色を放っている。そんな師匠の影響を知らず知らずのうちに体得していった髙木さんもまた器には一家言をもっている。今回は漆のお弁当箱をパリジャンたちに披露してくれたが、来てくださったお客様の中には” 買いたい! ” といってくださった方もいたほど。古き良きものを大切に磨きながら使っている『京料理たか木』のエスプリがパリジャンからも何の違和感もなく受け入れられたことを物語っている。

一方フレデリックは過去2回の来日で大の親日家になってしまったほど日本との出会いは運命的なものだと感じている。仕事を通じて素晴らしい料理人たちに出会えたこともその理由のひとつだが、しかし日本人の持つ繊細さや異文化を積極的に吸収しようとする好奇心に刺激を受けたようだ。だから今回の料理コラボを提案したときも何の抵抗もなくすんなりと受け入れてくれた。その柔軟さは髙木さんと共通している。一見マッチョな風貌だが繊細な”かわいい”ものが大好き。ピンク色の花が美しい日本の穂紫蘇や今回の青紫色のアジサイをピンセットを使って皿に盛りつけて料理を愛でる日本人の豊かな感性に大いに刺激を受けた様子だ。では今回の料理のメニューを最後に紹介しよう。

 

 

先付      ゴマ豆腐 アスパラクリーム フランス産キャビア添え

前菜      手長海老とトマトの出汁ゼリー和え  紫陽花見立 蛙胡瓜

温前菜     山下農園のかぶらトリュフ射込み蒸し かぶとトリュフのソース 夏トリュフ添え

炊合      オマールとモリーユの白味噌仕立 ほじそ

魚       まと鯛バター焼き 四川胡椒 人参金柑風味添え

菓子      抹茶づくしと野苺

デザート    飴の中に桃アイスと柚子クリーム 梅と桃ポワレ添え

 

 

『京料理 たか木』  〒659-0092 兵庫県芦屋市大原町12−8  電話:0797-34-8128

『Restaurant   Frederic SIMONIN』      25, rue Bayen  75017 Paris     電話+33-1-45-74-74-74

 

 

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vin et culture (2013.06.13)  |  未分類  | 

2013.06.12

いよいよメニューの決定 ! ―厨房内は日仏の食材が混在

 

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3日目、いよいよふたりのエンジンがヒートした。何を作ろうか? 昼は「お弁当」を主体にしたランチメニュー。普段、髙木さんのところでもお弁当は大好評だ。「通常、お弁当というものは冷たいものが詰まっています。でもレストランで食べるお弁当は熱いものは熱く、冷たいものは冷たくいただいてもらうのが基本です。」と髙木さん。フランス人に本当のお弁当文化を知ってもらいたいと普段お店で使っている髙木さん自らが特注した”五節句”をかたどった輪島塗の器をわざわざ神戸から運んできてくれた。その中に並べるお品は6品。夏トリュフの卵焼き・スモークしたチェリートマトのジュレ包み・バジリコを利かせたラングスティーヌエビの揚げ物・ミモザ卵・グリーンアスパラガスのゴマ豆腐仕立て・ポロねぎとトゥルトー蟹の巻もの。そして6月の風物詩はアジサイ。薄紫の花びらを散らして飾った。” カエル” もキュウリを型抜きしてちょこんと並べた。

「ここはフランスだからお弁当だけでは物足りない。魚と肉を各皿、デザートは必要だ。」とフレデリック。こうしてお弁当は前菜としてメインは「アンコウの白みそ漬け」(西京焼のような味わいはフランス人好みだと思う) とみりんと醤油でタレをつくって「鴨の炭火焼」に挑戦することになった。備長炭の炭火は長時間持続するのと熱がコンスタントに高いから厨房が煙たくならないと大好評だった。最終日にはまかないのソーセージも焼いていたぐらいだ!!

丁度このコラボを企画した一年半前、髙木さんの言った言葉を引用しよう。「シモナンさんと僕を通して文化を『受け継ぐ』『守る』『伝える』事を理解してもらえたら嬉しいです。」「お互いに佐名木孟氏やジョエル・ロブション氏といった師匠を大切にしていてクラシックな料理をしている共通点がありますから、今からどんな料理ができるか考えると本当に楽しみです。シモナンさんと一緒に漆の綺麗な蒔絵の入った弁当箱にそれぞれの料理を盛り込むなんて考えると、楽しみでしかたありません」。

フランス人スタッフ全員が髙木さんの一挙手一投足を眺めている。日本料理の技を体の隅から隅まで体得している髙木さん。手先の「器用さ」と「季節感を花で表現する」ことにスタッフたちは大いに刺激を受けている様子だ。丁度、料理研修中で髙木さんと同郷の神戸芦屋出身のショウコさんも、そんな髙木さんの姿に日本人として鼻高々に違いない。同じ厨房のなかで日本の食文化とフランスの食文化が自由自在に溶け合ってる雰囲気が「なんかいい感じ」感を作り出している。こうしてふたりの料理人が自分たちがやりたいことをやってみる。その自由な発想・ひらめきは何てステキなことだろうと、心から思った。

 

こうして出来上がったお昼のメニューを紹介しよう。

お弁当 手長海老みぢん粉揚げ アスパラ豆腐 蟹葱巻きハーブ添えトマト燻製のゼリー 玉子の味噌漬けミモザ見立 トリュフの出汁巻 蛙胡瓜

魚      あんこうの味噌漬け 柚子バター

肉      鴨炭火焼 味醂醤油 カシス そら豆 ピーツ添え

デザート  ルバーブ 柘榴ゼリー 苺 メレンゲ フロマージュブランのアイス添え

 

 

『京料理 たか木』  〒659-0092 兵庫県芦屋市大原町12−8  電話:0797-34-8128

『Restaurant   Frederic SIMONIN』      25, rue Bayen  75017 Paris     電話+33-1-45-74-74-74

 

 

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輪島塗の器は普段、髙木さんが芦屋の店で使っているもの。長年、丁寧に磨かれたその漆の輝きはパリでも燦然と光を放っていた。サービススタッフもひとつひとつデリケートに取り扱っていた。

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卵黄を一夜、白味噌に漬けておくと翌日は見事な橙色に変わる。そこに卵白・トリュフ・あさつきを細かく刻んで「ミモザ卵」に変身。フレデリックから教わったこのアイデアを高木さんは神戸の店でも実践している。

 

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「メニューはこれでいい?」 18歳の時からいつもフレデリックと一緒のセカンドのウドに意見を求める。二番手という立ち位置から決してぶれないウドはフレデリックの強力な助っ人。そのふたりの間に髙木さんがいる。正三角形のすごくいい関係で厨房を仕切っていく。ふたりが出会ったきっかけともなった「ゴマ豆腐」は今が旬のグリーンアスパラガスのクーリ(ソース)とミックスさせてみた。とても美しい。

 

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こんどはフレデリックの出番だ。ポロねぎとトゥルトー蟹のひと品はお弁当に入れる。ラップにくるんだポロねぎには出汁のジュレでしつかりとコーティングさせて固定する。それにトゥルトー蟹の磯の香りがしっかりとなじむ。そのフレッシュ感はいまの季節にぴったり。

 

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コミに交じって髙木さんもそら豆のへたをむく。ここでは誰もが何でもこなすのがルール。直接コミに技術を教えてあげると彼らはまるで吸い取り紙が水を吸い込んでいくようにどんどん吸収していく。そのやり取りが印象的だ。フレデリックは出汁はカツオ節(髙木さんはマグロ節を使う)の味がすごくするから野菜はスモークしたものが合うと言う。チェリートマトをじっくりと鍋を使ってスモークさせて、それに出汁のジュレをしっかりとコーティングさせて冷ましてお弁当の中に色添えした。

 

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トリュフ・ラングスティーヌエビ・モリーユ茸・・・とフランスの高級食材が並ぶ。そのわきで日本のお豆腐が大活躍。シノワで濾してみると独特の食感が生まれる。フランスでは乳を搾ってチーズを作るのが盛んだが、この豆腐の触感は”カイエ・ド・ブロビ”(雌羊のドロドロしたチーズ) と呼ばれるものに似ている。まぁ、大豆の植物性タンパク質か動物性たんぱく質かの違いはあるものの、どちらも体に良さそうだ!!

 

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出汁まき卵はトリュフと相性が合う。日本から持参した卵焼き用フライパンを自由自在に使いこなす髙木さんにスタッフ全員が釘付け!! キュウリが瞬く間にカエルに変身していく姿に目を奪われるスタッフ。それだけじゃない。目の部分には黒ゴマを一粒ずつピンセットではめ込んでいく・・・。6月の風物詩を取り入れようとアジサイの花も。しーんとした静謐な時間が流れていく厨房は、まるでロブションの厨房さながらだ。

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郷に入れば郷に従え。出汁も水道水でトライしてみた。案の定、混布を煮立てると白く石灰質が浮き上がってしまう。しかし、そこにかつお節を入れてみるとふわ~と石灰を吸い取ってくれる。見事な澄んだ出汁がとれることが判明。これでいこう! 髙木さんの号令で厨房が活気ずいた。

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器用にお箸を使って盛り付けする髙木さん。黒・赤を基調としたリュバーブのデザートはとても日本的な盛り付けだ。こうして初日のランチは無事にサービスも滞りなく終了した。

 

 

vin et culture (2013.06.12)  |  未分類  | 

2013.06.11

「山下農園」の山下さんに出会う―山下さんの真っ白いカブはあま~い柿の味がする !!

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2日目の午後、『山下農園』を訪ねた。バリから西南へ約30分、この農園は山下朝史さんという農家の方が日本の野菜だけを生産している。なかでも真っ白いカブはすでにフランス人の間でも「KABU de YAMASHITA」と珍重されている。当然、ひとつひとつ丹精込めて作っているから量も少ない。とびきり美味しいから料理人たちは欲しがる。そのジレンマに余計、山下さんのカブは「お株が上がる」!  幻のカブとまで言われる所以だ。しかし山下さんのカブを食すことができるのは3つ星レストランに行けるほんの一握りのお客様だけ。だからこそ、今回のふたりの料理コラボでは使わせていただきたいと思った。3人で、まずは表敬訪問しよう。私たちの料理に対する思いを伝えればきっと賛同してくれるかもしれない・・・。そんな希望を抱いてシャペ村にある農園を訪ねた。

「ウチの野菜はすでに畑で完結しているんです。だからとても力強い! そんじょそこいらの料理人では太刀打ちできない。」開口一番、強烈パンチをくらった。しかし、それにもめげず「料理人にとっては野菜は命。創作力を膨らませてくれる源流です!」と食らいついた。それじゃ、畑に行ってみましょう、ということになった。ビニールハウスの中にさらにビニールシートで覆われた畑の土は真っ黒でホカホカだった。そこから真っ白い、まん丸いカブを引き抜いてみせてくれた。見事なカブだった。辺り一面、まるで瞬間、オーラが漂ってくる感じがする。水につけてしばらく放置しておいた後、ふたりは口に入れた。まるで柿を食べた時のようなまろやかな食感。ほんのりと甘さが漂ってくる。” 畑ですでに完結してる “。その言葉の意味が分かった気がした。「おいしい野菜がすなわち良い野菜なんです。良い野菜が必ずしも美味しいとは限りません。」

では山下さんにとっての”おいしい野菜”の定義とは?  1)順調に育った野菜・ストレスはダメ  2)旬の間に収穫されたもの・はしりはダメ 3)鮮度と調理法の関係・口に入るまではこのふたつは上手に隔離して考えるべき(生で食べたり、厚く皮をむいて中だけを食べたり、周りの皮をソテーしたり・・・。日本では当たり前のことがフランス人はそれを知らない! ) 優等生的な良質なものがイコール人を感動させる美味しいものとは違う。そんな評価軸を山下さんは持っている。

考えてみれば日本とフランスの文化をハイブリッドしているのが山下さんの野菜だ。日本古来の品種でフランスの土地に根ずかせようとしている。手を変え品を変え、常に前に向かって新しいことにチャレンジしている。今回の私たちの料理コラボにも共通するスピリッツだ。ふたりが出会ったことによってお互いの料理の感性・ノウハウがハイブリッド化されてふたりの料理の水準が更に上がっていく。どんどん進化して完成されていく。まさに文化交流というものは一方的に発信するものではない。交じり合い、いっしょに息をしていくことで、またひとつの新しいものが誕生していく。山下さんと出会ったことで背中を押された。

30個のカブ、10本の人参、50枚のからし菜。山下さんのご厚意によって、それが私たちに許された量だった。とてもうれしかった。火曜日と金曜日に配達がある。

 

『京料理 たか木』  〒659-0092 兵庫県芦屋市大原町12−8  電話:0797-34-8128

『Restaurant   Frederic SIMONIN』    25, rue Bayen  75017 Paris     電話+33-1-45-74-74-74

 

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はじめて訪れた山下農園で。カブを口に含んだ瞬間のふたりの表情 ! 山下さんのひと言ひと言、力強いその言葉に勇気をもらった。” 料理フェアを絶対成功させよう! ”

 

 

 

vin et culture (2013.06.11)  |  未分類  | 

2013.06.11

髙木一雄とフレデリック・シモナンの日仏料理コラボがスタート ―ランジスに行った !

6月4~8日までパリ17区にある『レストラン フレデリック・シモナン』で「京料理 たか木」のオーナーシェフの髙木一雄さん(ミシュラン2つ星)とフレデリック・シモナンさん(1つ星)のふたりの料理コラボが開催された。ふたりが出会ったいきさつについては昨年2月の私のブログでもお伝えしたとおりだが、偶然としか言えないこの出会いを大切にしようと、ふたりの料理コラボを企画してみた。「ゴマ豆腐」を高木さんがフレデリックに伝授したのがきっかけでふたりの交流が始まった。あれから1年半、その間パリと神戸を往復しながら構想はどんどん広がっていった。「今まで先輩たちがやっていたように前菜は貴方が、メインは僕が・・・」というのだけはやりたくないということで意見が一致。しかも若いふたりだから「ビックネームをふたり連れてきて好きなことをやってもらう」というのともちょっと違う。ふたりが本当に創りたいもの、やりたいことをやってみよう。日本料理の基本となる出汁をフレンチの視点でどう変化させられるか? 肉や魚の火の通し方を日本料理とフレンチの感性でどう使い分けられるか? スティームコンベクションで蒸してみたり炭火であぶってみたりとふたりの思いはどんどん広がっていった。そんな夢のようなコラボをずっと前から私はやってみたいと思っていた。そして今回、こんなにも息のぴったり合うふたりの料理人に出会えたことは、私は一生の宝物だと思っている。この一週間、何がふたりの間に起こったのか? とても”濃い” 一週間の様子を写真満載でお届けする。

5月30日、何とドバイ経由で神戸からパリに到着した髙木さん。トータル20時間以上も飛行機に乗ってやってきてくれた! 本当に感謝の念に堪えない。持ってきた荷物もフランスの税関員に不審がられながらもその寛大な一言でうまくパス。まずは最初の難関は無事にクリア。その日の夜、レストランの営業が終了した後、3人でランジス市場へ。夜中の1時半は回っていただろうか。吐く息も真っ白で足元は深々と冷え込んでくる。パリの胃袋とも呼ばれるこの中央卸市場、魚の仕入れは他の業種より一足早い。「ARMARA」という業者のジャメルさんが私たちを出迎えてくれた。

ここはガストロノミーから街場のビストロまで扱ってる業者さんで魚の種類もとても多い。最近のすしブームでマグロやサーモンが飛ぶように売れているのだとか。巨大な段ボール箱から取り出したマグロを素早く解体する作業が始まった。ちょっと息苦しさを感じた私はひとり外に出て満天の星空を眺めていた。普段、神戸では毎朝、新鮮な魚を仕入れている髙木さんにとってランジスの魚は工業的な感じがするという。改めて日本の魚の鮮度は世界一、しかもその取扱い方は超デリケートだと痛感している様子だ。一方フレデリックも築地市場を訪ねて以来、フランスの卸売市場には興味を失ったという。ブルターニュ地方の小さい漁港、たとえばロックチュルディで陸揚げされるピンク色のラングスティーヌエビなどは料理人であれば誰もがあこがれ。「ポッポー、シュートントントン・・・」港に入港する漁船の擬音を発してみんなを笑わせる一方、想いははるかブルターニュの海へ。フレデリックの頭の中にはまた新しい料理レシピが浮かんだ。

 

『京料理 たか木』  〒659-0092 兵庫県芦屋市大原町12−8  電話:0797-34-8128

『Restaurant   Frederic SIMONIN』   25, rue Bayen  75017 Paris     電話+33-1-45-74-74-74

 

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夜中の1時半、魚市場は活気にあふれている。ガストロノミーに卸す魚は一本刷りのスズキや的鯛、ヒラメ。品質を保証するフランス国旗をかたどるトリコロールが目印。思わずスマフォのシャッターが途切れることがない!!

 

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  • 南谷桂子
    vinetculture@wanadoo.fr
    フランス在住
    株式会社ワインと文化社
    代表取締役・ディレクター

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