2011.05.29
2011年5月27日は世界の『隣人祭り』の日。12年目を迎える今年は、世界34ヶ国、950万人以上の人たちがひとつにつながる。そのスタートを切ったのは仙台市だった。被災から2ヵ月半、こんな時だからこそ仙台市民がみんな頑張ってる姿を世界中にアピールしたいと仙台市役所が「勇気の表明」を決断した。そんな熱い言葉に背中を押されて、仙台の奥山 恵美子仙台市長とパリの『隣人祭り』本部のアタナーズ・ぺリファンさんのスカイプによる交信がライブ中継で行われた。
「仙台メディアテーク」の会場ではスカイプ交信のための準備が着々と進められる。仙台市役所のスタッフに混じってフランスからも「France24」というTV局が取材にやって来た。またパリサイドではフランスの民間TV局「TF1」がカメラを回している。その様子はお昼のニュースと夜のニュースと2回、全国的に放送される。隣人祭りの会場になった「あすと長町」の仮設住宅には現在25世帯が住んでいるが、その住民たちと現地のNPO「パーソナルサポートセンター」のスタッフたちが100人前の炊き出しを行っている。祭りの気分は否応無く盛りあがってくる。そんな様子もパリ本部のスタッフたちに同時進行で伝えられていく。
仙台18時、パリ10時。いよいよ『隣人祭り』のスタートだ。奥山市長から現在の仙台の様子を伝えていただき、つづいて長町の『隣人祭り』の映像がパリにも伝えられる。パリではクロワッサンにカフェという朝食スタイル、あすと長町では野菜の筑前煮やコロッケカレー、手羽先の炭火焼など夕食がふるまわれた。奥山市長からは、こんなメッセージをいただいた。「こんにちは、パリのみなさん。今なお、1,700人を超える避難所暮らしの方など、本来の暮らしに戻れない市民が大勢います。貴方はじめ世界中の多くの方から寄せられる支援も、私たちの大きな力となっています。」 「今回の震災の中で、私たちは改めて、生活において真に大事なものを再認識する機会を得ました。困難な日々にパニックもなく乗り切れたのは、助け合い、励まし合うこと、他人に気を遣うことなどの、”人と人とのつながり”に支えられている感覚があったから。大きな苦難ではありましたが、人の絆やコミュニティのかけがえのなさを再認識したことは、必ず、これからの街の復興の基にもなると確信します。」
それに対してぺリファンさんは、こう答える。「こんにちは、ぺリファンです、はじめまして(日本語!)。 仙台市民の勇気と前向きな姿勢に心から敬意を表します。こんな大震災に見舞われた市民が、前向きに”生きていく権利”があることをしっかりと仙台市長が声高に言葉に表して伝えてくれました。その気持ちに感動します。今年で12回目を迎える『隣人祭り』を仙台市からスタートできたことは僕たちにとっても誇りです。こんなに苦しいな時ではありますが、世界中の人たちが、いつもみなさんのそばにいることを決して忘れないでください。」
最後はシャンパンでカンパーイ!とぺリファンさんが勢いよく抜栓したところ、そのシャンパンがなんとPCに流れ込んでスカイプ交信は一時中断。それにもめげず、やっと交信が再開してブラボー!ブラボー!と相成ったのでした。
写真 「仙台メディアテーク」で奥山市長を迎えて、パリの『隣人祭り』のぺリファンさんたちスタッフとスカイプでつながる様子。「あすと長町」の仮設住宅で行われた『隣人祭り』では100人近いひとたちが集まってくれた。市役所のスタッフたちの入念なチェックが行われる。フランスからもTV局が取材、パリの『隣人祭り』でもぺリファンさんを取材するTF1のカメラ。当日の司会と進行役をつとめた私。最後は全員がパリのスタッフに手を振っておひらき。