2013.04.20

「国立西洋美術館」の美しいフォルム

上野公園にある「国立西洋美術館」はル・コルブジエが建築した日本に現存する貴重な建物だ

上野公園にある「国立西洋美術館」はル・コルブジエが建築した日本に現存する貴重な建物だ

 

久しぶりに上野公園に行った。ここは私が大好きな東京エリアのひとつで、丁度『ラファエル展』が開催されているのでそれを観に行くのを口実に「国立西洋美術館」の建物をシゲシゲと眺めた。とにかく美しい。直線ラインのシャープなデザインは日本建築のミニマリズムに相通ずる凛とした気品を漂わせている。4月の新学期がはじまって間もない時期だというのに中・高校生の修学旅行とおぼしき団体が途切れることなく列をなして公園内にぎっしり。スカイツリーも見えるから、きっと観光コースとして人気スポットに違いない。

国立西洋美術館の建物はご存じのように設計はル・コルブジェによるもので日本に現存している彼の数少ない建物のひとつだ。私の大好きなモダニズム建築を日本で継承している彼の弟子でもある前川國男や板倉準三、吉阪隆正が実施設計・監理にあたり昭和34年に完成した。新館は前川國男が設計したが、本館は1998年に旧建設省による「公共建築百選」に選定されており、前庭・園地は国の登録記念物として保護されていると書かれている。そして今、この建物がユネスコの世界遺産の候補としても推薦されているのだそうだ。

是非ともこの建物を世界中の人たちに一目見てほしいものだと願っている。そうそう、スカイツリーも忘れずに一緒に。新旧と日本人の美意識に改めて感動することだろう。

 

 

 

vin et culture (2013.04.20)  |  未分類  | 

2013.04.04

オランド政権、危機迫る!

ゴォゴォゴォ~~~~~~地響き! 2011 3,11 東日本を襲った大地震のときにフランスのメディアは一斉にこの表現を使って事の重大さを強調した。それと同じ言葉が今朝の大新聞の見出しを一斉に飾った。ちょっとやそっとのことでは動じないフランス人もさすがに今回の事件では度肝を抜かれたのだろう。もう朝からTV・ラジオとどのチャンネルをひねっても、その話一色である。

その事件とはジェローム・カウザック元財務大臣が脱税容疑で逮捕され、今日その事実を本人が認めたのだ。どこにでもある「政治家の腐敗」と簡単に片づけられない理由は「彼は嘘をつき続けたこと」にある。それは言い換えればオランド政権への背信でもある。

メディアパルトという重箱の隅を突っつくことで定評のあるメディア集団が昨年の12月に同大臣が「スイスに隠し口座を持っている」とすっぱ抜いた。それ以来、国会でもTV・ラジオでも同大臣は「隠し口座?そんなものは大臣になる前も後も一度も持ったことはない。誰か別の人の間違いだ!」と虚偽発言を繰り返してきた。しかし、ここにきて精神的限界に達したのだろう。遂に今日「白状した」のだ。

隠し口座を持つことも一大臣としては許しがたいことだが(しかも財務大臣!国民に重税を課しておきながら自分はマネーロンダリングの温床でもある租税回避地に財産をせっせと蓄えていた)それ以上に国民を呆れさせたのが嘘を言い続けてきたことにある。野党は素早く反応した。「本当にオランド大統領は事実を知らされていなかったのか?」 一ジャーナリストが知りえた内部情報を国家元首ともあろう大統領が知らなかった、そんなゆるい体制が許されるのか? この事件、いま第二ラウンドを迎えようとしている。

 

「脱税防止のための闘争」と書かれたパネルを前にスピーチするカウザック元財務大臣。(写真 Liberation )

「脱税防止のための闘争」と書かれたパネルを前にスピーチするカウザック元財務大臣。(写真 Liberation )

 

 

 

 

 

 

vin et culture (2013.04.04)  |  未分類  | 

2013.04.01

復活祭の卵

今日は「イースター」のお祭り。パリのチョコレート屋さんのショーウィドーには卵や鶏・魚をあしらったチョコレートがいっぱい。

今日は「イースター」のお祭り。パリのチョコレート屋さんのショーウィドーには卵や鶏・魚をあしらったチョコレートがいっぱい。

カトリックの信者たちにとっては「復活祭」のお祭りはとても重要だ。どうして、その日に卵の形をしたチョコレートを食べる習慣があるんだろう?とフランス人に聞いてみたら「卵」は生命の誕生をシンボライズしたもので、復活祭の日に卵を贈る習慣はここから来ているのだという。

という訳で日本ではバレンタインデーにチョコレートをプレゼントするのが常だが、ヨーロッパでは復活祭の日が年間チョコレートの売り上げナンバーワンを誇るらしい。(クリスマスと同じぐらい!)パリのお菓子屋さんのショーウィンドーでも今いろんな形をしたチョコレートが花盛りだ。中でも「雌鶏」を模った巨大なチョコレートは一体どうやって食べるんだろう?!と首をかしげてしまうぐらい桁違いに大きい。かなずちで割ってみると中からいろんな色の卵がドヤドヤとたくさん出てくる。その様子がとてもかわいらしいので、きっと小さな子供たちも大喜びに違いない。

もうずっと前のことだが復活祭の週末を利用して休暇に出かけたことがある。宿泊していたホテルの敷地内では草むらの影に卵を隠して宿泊客がバスケットを持ってその卵を見つけるという余興に花が咲いていた。娘がまだ小さかったので一緒に無我夢中で探したのを覚えている。最近ではパリ郊外の公園でも「卵狩り」をオーガナイズしているところもたくさんある。でもこうした復活祭の日にチョコレートを頬張るたびに思い出される記憶というもののなかに、フランス人は間違いなく「卵狩り」の光景が目に浮かぶのだろう。

 

 

vin et culture (2013.04.01)  |  未分類  | 

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  • 南谷桂子
    vinetculture@wanadoo.fr
    フランス在住
    株式会社ワインと文化社
    代表取締役・ディレクター

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