2013.10.26

神楽坂の屋台 『CHICHUKAI UOMARU』 でプチパリ体験

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神楽坂は東京のプチパリ。フランス人が好んで住みたがる界隈だが、そこの商店街のメインストリートに『CHICHUKAI UOMARU』という屋台形式の居酒屋がある。ランチからノンストップで夜中までやってるからいつでも人がいる。金曜日の夜ということもあり店内は会社帰りのサラリーマン風の人たちでごった返している。パリのマンダリン・オリエンタルホテルのシェフ、ティエリー・マルクスが見たらきっとまたひらめくに違いない!  彼は屋台フリークで屋台をコンセプトにした” ストリートフード ” なるものをパリのホテル内に展開してヒットしている。

今晩のおすすめは「島根県隠岐産の生岩がき」。フランスのブロンとかフィーヌ・ド・クレールなどとは比べ物にならないぐらい大きくて丸々としている。レモンの代わりにもみじおろしとポン酢、それにあさつきも少々まぶしていただく。あぁ垂涎もの!!  という訳でちょっとパリ風にときどってスパークリングワインを注文したら何とソーサー型のグラスに並々と注いでくれるではないか!  それにしてもソーサー型のシャンパングラス・・・これもまた懐かしい。実際にパリのレストランシーンでソーサー型を使っているところなんて今ではあまり見かけない。シャンパンに浸して食べるビスキュイ・ド・シャンパーニュをいただく時ぐらいか!  でも神楽坂の屋台でスパークリングワインを注文する方もする方だが、でもこんな時代がかったアンティークな雰囲気で日本の下町風情を感じるのもおつなものである。

 

写真  サラリーマンでごった返している屋台ふう居酒屋、そこでちょっとプチパリを体験してみた!

 

 

vin et culture (2013.10.26)  |  未分類  | 

2013.10.25

福浦港の ” しあわせにしてくれる “ 『みなと食堂』 のランチ

港食堂①

福浦港ランチセット

 

湯河原から真鶴半島に行く途中にそれはそれは小さな漁港、福浦港がある。丁度、朝一番の漁を終えた若い漁師たちが網をしまい、みんなで一服しながら談笑している風情は実に平和的で牧歌的。こんな風景はずっと前に料理人、ジャック・マキシマンを取材したときに訪れた地中海のキャリー・ル・ルエという小さな漁港にも似ている。太平洋と地中海、そんな違いはあるにせよ漁師の魂はどこも同じ。みんなに美味しい魚を食べてもらおうと決死の漁に向かう。そんなことを思い出しながらグーグーいうお腹を抱えてやってきた。ちょっと台風を目前にして入り江の海岸から見る海原はミステリアスなほど静かで銀色に輝いている。

お昼の時間、地元の人たちでにぎわうこの食堂、海を真正面に手すりをテーブルに見立てた最高の席に陣取ると「カサゴの塩焼き」を注文した。しばらくすると給仕のおばさんが「 はい、カワハギの唐揚げで~す! 」「 いやいやカワハギは注文していませんよ。他のお客さんの間違いでは? 」。ちょっと怪訝そうに私のことを見ながら「 カサゴは焼きあがったら持ってきます。まずは唐揚げからです!! 」。な、なんと、4種類の魚が手を変え品を変えドド~ンと次から次へと出てくるではないか! これで一人前?  どんぶりには白いご飯がてんこ盛り。いやはや、これで「普通」の定食なのだ。勿論、一人前である。

それにしても「 日本人はみんなスリムなのはヘルシーな和食を食べているからでしょう! 」とフランス人の多くは思っている。勿論、生魚や粗塩だけをささっとまぶした焼き魚を食べていれば肥満とは縁遠いかもしれない。でもこの量では??  しかしおいしそうに頬張っている人たちのひとりひとりのうれしそうな表情を見ていると誰ひとりとして太っている人なんかいない。楽しそうに食べることに情熱を燃やしている、そう生きることに燃焼していることこそ肥満とは無縁なことなのかもしれない、と感じ入った次第である。

 

写真  カサゴの塩焼き・カワハギとメバルの唐揚げ・マダイのお刺身、これが “当たり前” として食べられる地元の人たちの食生活の豊かさ。ホント、うらやましい!!!

 

vin et culture (2013.10.25)  |  未分類  | 

2013.10.21

『たくあん・牡丹亭』 の女将

ぼたん2   ぼたん1

 

『たくあん・牡丹亭』の女将、津野 塩さんはとてもチャーミングだ。粋に着こなした着物姿に割烹着、襟元をただし背筋をまっすぐに腰が低くいつも笑顔を絶やさない。今でこそ西新宿などという地名に変わってしまったけれど、かつては花街として知られていた十二社にひっそりとたたずむ料亭だ。ちょっと大正ロマンというか昭和チックな店のたたずまいはお座敷を中心に大小の個室が並んでいる。障子をすっとあけると牡丹の花を模った黒い時代物の南部鉄瓶が何気なく飾られていたり、襖には巨大な牡丹が描かれていたり・・と、ちょっと不思議な空間だ。

もともと塩さんのお母様は不動産がお好きで動物的嗅覚で店の良し悪しを即座に見分ける感覚をお持ちだとのこと。この店もお母様が惚れて即決したという。しかし店はすべてお嬢さんでもある塩さんに任せきり。そんな塩さんも18歳で上京してきて以来、見よう見まねで店を切り盛りしている。中でも極上黒毛和牛を使ったすき焼きは絶品だ。長ネギを丹念に肉の脂身とまぶし合わせながらグタグタになるまで火を通し、そこにすき焼きのタレを入れてさらに煮詰める。まるでフランス料理のフォンを作っているかのように、ゆっくりゆっくりと塩さんが手塩にかけてこってりとした甘いすき焼きに仕上がっていく。

日本ソムリエ協会認定のソムリエールの資格や日本酒サービス研究会・酒匠研究連合会認定の利酒師の資格もお持ちなのでワインや日本酒のセレクトも一家言をもっておられる。「いつもはフランスワインをお飲みだと思い今日はスペインのリオハの白ワインをお持ちいたしました!」と、そんな心遣いがうれしい。小唄もお得意でお客様が少ない日には三味線片手に披露してくれるそうだ。そんな塩さん、東京に住むフランス人の間でもとても慕われていてワインの試飲会なども時々ここで催されるのだとか。日本的でありながら世界中の人たちを感動させてくれるおもてなし。そんな貴重な店、それはまさに塩さんが放つオーラ以外の何物でもないような気がする。

 

写真  肝っ玉母さんのような太っ腹で寛大な津野 塩さん、彼女の作るすき焼きは絶品だ!!

 

vin et culture (2013.10.21)  |  未分類  | 

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  • 南谷桂子
    vinetculture@wanadoo.fr
    フランス在住
    株式会社ワインと文化社
    代表取締役・ディレクター

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