2013.07.14

ボルドー・メドックの “シャトー・ラグランジュ” で 『花祭り』 開催

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ボルドーのメドックといえば世界中のワイン愛好家あこがれのグランクリュを生産する地域として有名だ。そのなかにあるサンジュリアンの『シャトー・ラグランジュ』は1855年のメドックの格付けで3級に位置している。去る6月20日、そのラグランジュで「フェット・ド・ラ・フロール」(花祭り) というお祭りが盛大に行われた。これは2年に一度、国際ワイン見本市としては世界的な規模を誇るVINEXPOがボルドー市を挙げてのビッグイベントとして毎回開催されるが、その最後を飾るのが「ボンタン騎士団叙任式」とそれに続く「晩餐会」だ。世界中から特別に招待された1500名のワイン関係者は全員が女性はローブ・ド・ソワレ、男性はブラックタイにタキシード姿というフォーマルなドレスコードで臨む。そんな名誉ある晩餐会の料理を託されたのがパリの1ツ星シェフ、フレデリック・シモナンだ。

ラグランジュの歴史を辿れば1842年にさかのぼる。その間、所有者は何度か交代しているが、1983年からは日本のサントリーがオーナーとして現在も品質向上を目指して珠玉のようなワイン創りを行っている。ボルドーの老舗メーカーとしてのプライドを保ちながら、また保守色の強いメドックの錚々たるワイナリーに囲まれながらも遜色のないワインづくりを行ってきた不断の努力が実り、90年代には秀逸なワインが次々に誕生している。中でも今回、晩餐会でサービスされた95年の『シャトー・ラグランジュ』は18年を経た今日でも力強さを保ちながらも、とてもエレガントな品のある味わいだ。

こうした背景からシモナン・シェフは日本を意識した繊細な味付けとプレゼンテーションにとことんこだわった。すでに何度か来日しているので日本人のエスプリをとてもよく理解している。しかしここはボルドー。主役はあくまでもワインだ。決して妥協することなく、しっかりとしたシェフらしい味付けでメドック・ワインを一層引き立たせてくれた。そんなシモナン・シェフとラグランジュがどうやって晩餐会に挑んだのか。8か月間にわたるコラボレーションのいくつか、二人三脚で勝ち取った成功を写真満載でレポートする。

 

写真   コマンドリー・ドュ・ボンタン(通称ボンタン騎士団) の叙任式の模様。緋色のマント―を羽織り、泡立てた卵白をイメージした帽子がユニーク。セレモニーの準備をするシャトー・ラグランジュのファサード。晩餐会のメインゲストはボルドー市長のアラン・ジュペ氏をはじめ女優のキャロル・ブーケ。グレーのテーブルクロスに生け花が各テーブルに飾られた。奥行108m X 幅11m の樽熟庫を改装したメインダイニングは圧巻。1500名の招待客はフレデリック・シモナンの料理を堪能した。シャトーの前でポーズするシモナン・シェフは写真を撮られるのが苦手。晩餐会でのメニューを最後に紹介しよう。

≪前菜≫ Homard servi en fines tranches de ravioles de DAIKON, au citrus caviar et agrumes confits, pince à l’éclat de feuille d’OR 

ヨーロッパ産オマールエビのポシェ 薄くスライスしたラビオリ風の大根には柑橘系果汁をコンフィにしたソースをかけて

ワイン Château de FIEUZAL 2010 (白)

≪主菜≫ Boeuf d’Aquitaine et pommes fondantes, condiments au jus perlé, rapée de truffe d’été

アキテーヌ産牛肉のサーロインステーキと夏トリュフ ジャガイモとベットラーヴ エシャロットのフォンダン 黒ぶどうのソースと牛肉の焼き汁を添えて

ワイン Château LAFON-ROCHET 2003 (赤)  Château LAGRANGE 1995 (赤)

 ≪チーズ≫ Tomme de brebis des Pyrénées façon mille feuilles, pain d’épice, confit de griotte au Piment d’Espelette et petites pousses acidulées 

ピレネー産雌羊のチーズ“トム・ド・ピレネー” ミルフィーユ仕立て

ワイン Château LAFITE ROTHSCHILD 1990 (赤)

 ≪デザート≫ “ OPALINE “ de sucre léger, crème Madame et mangue confite au citron rapé et coulis d’abricots, sorbet onctueux

マンゴーのコンフィとソルベのミックス デリケートなクリームをアプリコットの酸味でいただく飴仕立てのプレゼンテーションがオリジナル

ワイン Château SUDUIRAULT 2001 (白)

 

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  • 南谷桂子
    vinetculture@wanadoo.fr
    フランス在住
    株式会社ワインと文化社
    代表取締役・ディレクター

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