2012.08.18
パリからおよそ北に110km、ジェルブロワという村を訪れた。かつて荒廃していたこの村をひとりの画家が移り住み、一本のバラを植えたことからすべてがスタートした。この画家はアンリ・ルシダネルと呼ばれる後期印象派のひとりで、日本でも熱狂的なファンがたくさんいるらしい。ルシダネルが住んでいた家の庭を当時の姿に修復して、現在では大勢の観光客でにぎわっている。
その後、村人たちも各自の家に色とりどりのバラの花を植えて、このジェルブロワをバラの村として保存。毎年6月には『バラ祭り』が行われ、世界中からの観光客でごった返すほどになった。なかでも日本人観光客はここ数年で断トツに増えているという。村を訪れてみると、”なるほど! 日本人がイメージするフランスの美しさをすべて網羅している”という印象をもった。
ジェルブロワの女性市長さんは「北アフリカのモロッコという国では女性の就労支援のためにバラ作りが盛ん。ジェルブロワもバラとして有名なので少しでも彼女たちを応援しようとフェアトレードでバラグッズを販売していけたらと考えています。私が任期中に絶対、実現したい!」と語ってくれた。
オーベール・シュル・ロワーズのゴッホのアトリエ、ジヴェルニーのモネの家、そしてこのルシダネルの庭と「お花と印象派」を楽しみたいのであれば最高の一日の観光コースとしてもお奨めしたい。
写真 ジェルブロワの町の風景。生憎の雨模様だったが、バラがシーズンオフでもアジサイが見事に咲いていた