2015.10.16
日本財団と東京大学先端科学技術研究センターが共同で主催する異才発掘プロジェクト『ROCKET』の子供たち3人がパリの“Secours Populaire Français”(市民の絆フランス)を表敬訪問した。このRocketプロジェクトとは「異才を発掘し持続的なサポートを提供することで、将来の日本をリードしイノベーションをもたらす人材を養成することを目指したもの」と同パンフレットには書かれている。突出した能力を持て余していたり、ほかの子供たちとはちょっと違うことで居場所を感じられないでいる子供たち、そんな彼らの能力を引き出し成長させていくことは将来の日本にとっても大きなメリットとなってゆく。
みんなでお茶している30分間の間に、ひとり黙々とノートに向かって凱旋門やノートルダム大聖堂の精密画を描き上げてしまう濱口君、北海道のエゾシカの角を使った「鹿プロジェクト」では見事なカトラリーコレクションを制作した小林さん、歴史やモニュメント、料理から文化に至るまで幅広い知識が旺盛な野中君。三人三色、その溢れる才能には舌をまいてしまう。しかし、生き生きとした彼らの真剣な眼差しをみていると” 日本の将来は大丈夫! ” と心から安心できる。
ひとりひとりの個性を重んじるフランスの教育制度、一方、全体の輪を重んじ協調してゆくことを美徳とする日本の教育現場、しかし、そのどちらにも順応してゆけることが、これからの世界で必要とされていく人材であることは間違いない。
写真 2011年3月東日本大震災のときに東北の被災地にいち早く駆け付け寄付してくれたフランス最大のNPO「市民の絆フランス」の代表者たちと記念撮影におさまる濱口君・小林さん・野中君。このフランスの「市民…」も” Copins du Monde” (世界の仲間たち)という青少年向けのプロジェクトを立ち上げて世界中の貧困の子供たちへの教育や健康をサポートしている。