2015.10.05
2001年からランヴァンのデザイナーを務めるアルバー・エルバスの舞台裏を追った『アルバー・エルバスのマニフェスト展』が”メゾン・ヨーロピエンヌ・ド・ラ・フォトグラフィ”で開催されている。今夏、ミュゼ・ガリエラ(パリのモード美術館) でランヴァン展を見に行ったとき、そのモダンさはもとよりエレガンスとは何なのかを強烈に思い知らされて興奮気味だった私。更に追い打ちをかけるように、このダブルの展覧会が開催されるというラッキーに恵まれた! さすがにパリ、その展覧会のグレードの高さには唸ってしまった。
パリ市が運営するこの写真美術館は私が大好きな場所のひとつなのだが、その2階の展示室には映像と写真、立体裁断と平面図、型紙、そして出来上がった作品と縦横無尽にエルバスの創造性を余すところなく見せているのが特徴だ。特に何気なくマヌカンたちが着ている服、でもその服の型紙の複雑さを知ったら、もうエルバスが天才であるのは一目瞭然だ。どうしてこんなシルエットが想いつくのだろうか? サンローランのコレクションを手掛けていただけあって、そのテクニック・バランス・高級感、そして何よりも趣味の良さでは彼の右に出るものはいないだろう。パリを訪れる機会があったら是非とも訪ねてほしい展覧会である。
写真 シフォンのようなオーガンディを使った黒のドレスやタフタのような張りのある布を体にまとわせた服、女性を美しく見せることにかけては天才的なエルバスの才能に改めてため息がでる。( Maison Europeenne de la Photographie VILLE DE PARIS : www.mep-fr.org )