2014.11.20
パリも冬のシーズン到来、パリジャンが好む冬の風物詩といえばレモンをキュッと絞った生ガキにシャブリのような冷えた白ワインをグイッと飲み干すのもおつなものだが、イヤイヤそれに負けないぐらいの人気者と言えば「シュークルット」だ。フランス東部のアルザス地方に古くから伝わる名物料理だが、お隣のドイツでも「ザワークラフト」と名前を変えて食されている。白キャベツを千切りにして樽の中に寝かせ、そこに粗塩をまぶしながらジュニエーヴルと呼ばれるねずの実を入れる。蓋をしたら重石をのせて約3週間から一ヶ月間、そのまま発酵させる。ドイツでは塩の代わりにライン川沿いで採れた白ワインで発酵させるためかアルザス産のものより、やや甘味がかっている。しかし中国でもシュークルットが作られていた・・・という話がある。それは紀元前3世紀にさかのぼる。万里の長城がはじめて建設されたときに、そこで働いていた労働者たちが持ち寄ったキャベツが冬の間中、雪の中で凍り、それが春になり少しずつ雪解けと共に自然に発酵していったものを美味だと感じた人がたくさんいたという。それ以来キャベツの発酵は中国でも食されるようになったと言われる。
そんなシュークルットをパリでも美味しく食べさせてくれる名店がある。その名も「アルザス」。シャンゼリゼ大通りの老舗だが2年半もの工事が終わり、このほど大々的にリニューアルオープンした。そんな新生アルザスでは従来のシャキュトリー(豚肉加工品)のシュークルットに加えて魚類のシュークルットも揃えている。手長海老が鎮座している姿はちょっとひょうきんで愛らしい。パリのシャンゼリゼに来る機会があれば、是非とも立ち寄ってほしい店である。
写真 従来のクラシックな「シュークルット・ロワイヤル・オ・クレマンダルザス」29,10€ と「シュークルット・ドュ・ポワソン」28,90€ どちらもボリューム満点だ。
『L’ALSACE CHAMPS ELYSEES』 年中無休24時間営業
39, Avenue des CHAMPS ELYSEES 75008 Paris tel: +33 1 53 93 97 00 www.restaurantalsace.com