2014.08.31
夏の最後の日、長野県にある野尻湖を訪ねた。妙高山と黒姫山を背景にして、まるで蝶々がひらひらと舞っているかのような優雅な姿をしたその湖は、日本の原風景をそのまま額縁に切り取った大自然がとても美しい。「信州しなの」のそばの産地としても知られており、丁度、辺り一面には白・ピンクとそばの花がシーズンを迎え、今か今かと収穫を待ちわびている。地元の農家の人の話では、ここ数年前から減反政策でお米からそばへと転換を余儀なくされている農家が多く、そばの生産量も劇的に増えている。真っ青な田圃の隣には真っ白なそばの花が風に揺れている光景は息をのむほどに美しい。信濃町では「わっこ揚げ」というちょっと変わった揚げそばが有名だ。ゆでる前のパスタのようなユニークな形をしているが、これはそばをクルクルと丸めて輪状にしてから凍らせたもので” 凍り蕎麦 ” とも呼ばれる。それを乾燥させてから油で揚げて熱々をそのままいただく。酒のつまみとしても美味しい! 旅はその地方の特産品を食すのが一番だが、大好物の蕎麦をいただく楽しみのほかに、こんなユニークな食べ方に舌鼓を打ったのであった。
写真 「わっこ揚げ」の一皿、そばの花が丁度見ごろの信濃町の畑の風景。