2014.06.22
京都・パリ、最も予約の難しい店といわれる『祇園 ささ木』と『ホテル・マンダリンオリエンタル・パリ・シュールムジュール』。その料理人、佐々木浩とティエリー・マルクスのふたりのシェフによる創作料理フェアが6月19日、パリのマンダリンオリエンタルで一足早くメディア関係者向けに開催された。お題は「京都の夏・パリの夏・ふたりの夏」。( 一般のお客様には今年の10月21-22日の二日間、ランチとディナーのフェアが開催される。食材も秋の旬野菜を食べてもらう「京都の秋・パリの秋・ふたりの秋」という趣向)
今回、佐々木さんが特にこだわったのは「夏の物をいれました。そして” 出汁 ” をどうしてもフランス人に味わっていただきたい。そこで普段店で使っている漆のお椀も、夏限定の” 平椀 “、色も” 銀色 ” という京都らしい風物詩を物語るものを持参しました。」先付・椀を佐々木さんが、お向こうはマルクスさん、そしてサプライズは何と言っても佐々木さんオリジナルの牛肉をたっぷり入れた” 韓国風おこげごはん “、最後はふたりの創作デザートという構成だ。同席したフランス人ジャーナリストたちも「日本料理とフランス料理がお互いに拮抗することなく、味も見た目も自然と調和がとれていることに驚きを隠すことができない!」と絶賛だ。ふたりは同じジェネレーション、料理の基本をしっかりと叩き込んできた経歴をもつ2つ星シェフ、そして親日家・親仏家という共通点が多々ある。言葉というものを超えて味のバランスがぴたりとひとつにまとまったところは、やはりふたりの料理人の水準が同じ域に達していることの表れだ。引き出しの多いシェフ同士、そのふたりがどうやって無駄なものをそぎ落とし、本質だけを残すか。そんな感性を垣間見るエキサイティングな料理フェアだった。
写真 佐々木浩&ティエリー・マルクスとカリスマ性たっぷりの料理人。ふたりの創作料理メニューは「ブロッコリーのムース、オマールエビを入れてトマトの酸味で/ 薄くず仕立て、ナスの揚げ煮、あわびのやわらか煮、生姜の香りで/ 薄くスライスした烏賊のポワレ、サフラン風味の米のクリーム/ お寿司三色、鱸の京都西京焼き/ 牛肉の墨仕立て、ベットラ―ヴのラビオリ、西洋わさび/京抹茶 ほのかな甘みでジャパニーズモナカ/りんごのコンフィ、バニラクリームを添えて 」