2014.01.26
写真 下賀茂温泉を流れる青野川のほとりで。丁度、沈みかけた夕陽が目にまぶしい
南伊豆の下賀茂温泉を訪ねた。東京から「伊豆踊り子号」に乗って約2時間、下田から更にバスで20分ほど揺れながら山間地帯に向かって走っていくと、あちこちに出湯の湯けむりが噴き出している。そのひとつ青野川のほとりには丁度、水仙の可憐な花が咲き乱れていた。この辺りは一年中温暖な気候で2~3月ごろには 「 河津桜 」 と呼ばれる早咲きの桜や菜の花で辺り一面ピンクと黄色に染まるのだという。その頃にまた是非とも訪れてみたいものである。
” 太平洋に面した伊豆半島最南端のこの町は昔から海上交通の要所として、また山を瀬に入り組んだ自然の良港という地形を生かし漁業や農業の盛んなところ。特に海岸線はジオパークエリアの海岸が約57kmありイセエビや貝類が豊富 ” だとパンフレットには書かれている。その謳い文句のとおりこの辺りは複雑な入り江や沖に浮かぶ大小さまざまな島々が日本古来の風光明媚な景色を楽しませてくれる。特に今がシーズンだという「金目鯛のしゃぶしゃぶ」をいただいたが、その脂ののったコリコリとした新鮮な食感は筆舌に尽くしがたいほど美味しかった。そしてもうひとつ私にとって新鮮だったのは青野川のほとりを散策する人たちがすれ違い際にかならず「こんにちは」とあいさつしていくことだ。失われつつある日本の原風景・そして日本人としてのたしなみ。そんなものを取戻させてくれた旅に大いに癒されたのだった。