2013.04.04
ゴォゴォゴォ~~~~~~地響き! 2011 3,11 東日本を襲った大地震のときにフランスのメディアは一斉にこの表現を使って事の重大さを強調した。それと同じ言葉が今朝の大新聞の見出しを一斉に飾った。ちょっとやそっとのことでは動じないフランス人もさすがに今回の事件では度肝を抜かれたのだろう。もう朝からTV・ラジオとどのチャンネルをひねっても、その話一色である。
その事件とはジェローム・カウザック元財務大臣が脱税容疑で逮捕され、今日その事実を本人が認めたのだ。どこにでもある「政治家の腐敗」と簡単に片づけられない理由は「彼は嘘をつき続けたこと」にある。それは言い換えればオランド政権への背信でもある。
メディアパルトという重箱の隅を突っつくことで定評のあるメディア集団が昨年の12月に同大臣が「スイスに隠し口座を持っている」とすっぱ抜いた。それ以来、国会でもTV・ラジオでも同大臣は「隠し口座?そんなものは大臣になる前も後も一度も持ったことはない。誰か別の人の間違いだ!」と虚偽発言を繰り返してきた。しかし、ここにきて精神的限界に達したのだろう。遂に今日「白状した」のだ。
隠し口座を持つことも一大臣としては許しがたいことだが(しかも財務大臣!国民に重税を課しておきながら自分はマネーロンダリングの温床でもある租税回避地に財産をせっせと蓄えていた)それ以上に国民を呆れさせたのが嘘を言い続けてきたことにある。野党は素早く反応した。「本当にオランド大統領は事実を知らされていなかったのか?」 一ジャーナリストが知りえた内部情報を国家元首ともあろう大統領が知らなかった、そんなゆるい体制が許されるのか? この事件、いま第二ラウンドを迎えようとしている。