2013.01.01
2012年に社会党政権が復活して、はじめてのオランド大統領の新年のあいさつが行われた。ドゴールに始まって歴代の大統領がTVで国民を前にして直接対話型で所信表明をするところは日本と違うところだ。まぁフランス革命を経験した「民衆の国」だから国民側も大統領のこの言葉を聞かないと年が越せないといったところだろうか。
それにしても、これほどスピーチの下手な大統領がかつていただろうか? 多分、本人が一番ご存じなんだと思うけれど、富裕層に対する75%の課税制度(選挙時の公約だからとブルドーザーのごとく推し進めようとしている! ) 、失業対策、治安の悪化、緊縮財政・・・そんな有り余る課題に自画自賛しながら、まるで機関銃のごとく次から次へと喋り捲っても国民を奮い立たせることはできないだろう。なぜならオランド氏の言葉は心に響かないのだ。
そう思ってスピーチが終わった後「どうだった?」と友人にSMSを送ったら、その友人も「同感 !」と返事をくれた。いつもだったら一斉にメディアが反応を示すのに今年はどういう訳か鈍い。野党の拒絶反応のつぶやきぶりは尋常じゃないけど!
「Moi President, Moi President, Moi President…..」(「私が大統領だったら、私が大統領だったら、私が大統領だったら・・・」と大統領選の時にまだ当選したわけではないのに誇らしげに語っていたあの鼻持ちならぬ態度があまりにも強烈な印象だったから、最近それを皮肉ったコマーシャルのキャッチが笑えるが・・・)そんなオランド氏がせっかく大統領になれたのだから、まずは”演劇”のレッスンでもして、私のような外国人の心にも届く言葉で謙虚さをを学んでくれたらもっと国民に愛されると思うんだけど。
写真 大統領の年末のスピーチ、いつもだったら大統領の顔だけで十分なのだが今年はカリスマ性に欠けるオランド氏ではもたないからエリゼ宮も一緒に載せた。