2012.07.30
7月27日、ロンドン・オリンピックがいよいよ開幕した。TVの前で釘づけだった私は、このちょっと風変わりなオープニングにイギリス人の底力みたいなものを感じた。特にエリザベス女王が国家秘密警察007、ジェームス・ボンドに付き添われて飛行機に乗り込み、何とパラシュートでスタジアムに降りてくるところなどはお腹を抱えて笑ってしまった! これぞイギリス人のブラックユーモア全開。演出を担った映画監督ダニー・ボイルのモニター映像と実際の映像を組み合わせた手腕に脱帽だ。
オリンピック開始以来、各競技の実況中継は勿論だが、それに加えて『エリザベス女王二世』の特番がFR2で放送された。今年はエリザベス女王2世の即位60周年であると同時に、007シリーズ50周年の記念すべき年。フランスの外交にとってイギリス皇室の存在感は絶大だ。歴代の仏大統領がエリゼ級で各国の要人を迎えて晩餐会を行うとき、破格のもとなしをするのは常にエリザベス女王二世だ。彼女はフランス語も達者で、フランスを訪れる際にはフランス語のスピーチもする。そのフレンドリーでユーモアのセンス溢れる内容は、いつもフランス国民を魅了している。きっと英国国民にとっても同じような感情を女王に抱いているのではないだろうか?
そんなイギリスでのオリンピック開催、”伝統とアバンギャルド”が混然と一体化しているこの国の面白さも、今回のオリンピックの見どころだと私はひとりほくそ笑んでいる。
写真 2012年、ロンドン・オリンピックの開会式セレモニーより、仏の民間TV、TF1の映像から。