2011.12.13
最後はフレデリックの号泣で閉幕した。思えば土曜日の早朝に羽田に到着した彼は、「ホテルオークラ東京」の厨房に直行。スタッフたちと初対面後、緊張も冷めやらぬまま、まずは調理台の掃除からスタートした。2日間の仕込み。しかし、日一日とフレデリックと料理人スタッフたちの間には何かが生まれている。料理のレシピは勿論のこと、料理人としての立ち位置・振舞い・エスプリ・・・そんなものをすべてを分かち合った一週間だった。
途中、3日目ぐらいからフレデリックは「僕はこう見えてもエモーショナルな人間。絶対に最後は泣かない!」と豪語していた。にも拘わらず、彼は大泣きした。男の涙を皆の前で惜しげもなく流し続けた。でも、それに答えるかのように、スタッフたちの目も真っ赤だった。真実の友情。そんなテンションの高い厨房でのやり取りが今回の結果につながったのではないだろうか。集客したお客様の数は当初の予定を大幅にこえて520名というものだった。スタッフたち全員のチームワークの結果。誇りにできる数字だ。フレデリックの涙の本当の意味がこの数字に凝縮されている。
写真 フェア最終日のディナーが終わった瞬間。「ホテルオークラ東京」の厨房内で。