2011.10.21
パリのオペラ座、ルイヴィトン本社ビル、レストラン・トゥールダルジャン・・・と、いま、パリの建物の屋上ではミツバチがブンブン飛び交ってハチミツづくりが盛んだ。ここ数年前から毎年20~30%もの蜜蜂が激減するという危機的状態で、その本当の原因は分かっていないが、多分殺虫剤の蒔きすぎとか、環境破壊からくる花の生育が悪いといった理由が考えられるという。
レストラン・トゥールダルジャンの屋上ではノートルダム寺院を眺めながらミツバチの巣箱が5個並べられている。それを管理しているのはニコラ・ジェアンさん。プロの養蜂家だ。「昨年のハチミツはラベンダの香りがしましたが、今年はミントの香りがします。年が明けてから春が比較的に暖かかったので草花の成長が良く、ミツバチの受粉も盛んに行われました。ですから2011年物は最高のミレジムです!」 まるでワインの当たり年のような口ぶりで、味を見分ける前に匂いを嗅いだり、色をチェックするなどそのテースティングもワインのそれに似ている。
ローズマリーやタイムのようなまろやかな味は一般向けで、一方ヒースやクリの木から採れるものはちょっと癖がありマニア向け。色もそれぞれの種類によって全く違う。でも料理やデザートには癖のあるタイプの方が味にメリハリがつくのだとか。トゥールダルジャンではイチジクのデザートにたくさん使われている。その日も、女性のソムリエ―ルがトゥールダルジャン産のハチミツを使ったビスケットを振舞ってくれた。
写真 真剣にテースティングする養蜂家のニコラ・ジェアンさん。トゥールダルジャンのハチミツは日本でも手に入る。ハチミツをたっぷり使ったビスケットをサービスするレストランのソムリエ―ル。