2011.07.14
恒例の”キャトルズ・ジュイエ”の軍隊パレードがシャンゼリゼ大通りで行われた。「7月14日」を意味するこの日は通称”パリ祭”の名でも知られているが、1789年に革命派がバスチーユ広場を陥落して「フランス革命」が行われた日だ。それまでの絶対王政を倒して民衆の時代に変わった記念すべき日である。
この軍隊行進、全長1910メートルもの道のりをフランスの国威を全世界にアピールするチャンスとばかりに歴代の大統領は得意満面にオープンカーでゆっくりとコンコルド広場に向けて降りてくる。しかし、今年はサルコジ大統領は神妙な顔つき。というのも昨日、アフガニスタンに駐屯中の仏軍兵士が5名、タリバンのゲリラに”カミカゼ”攻撃を受けて殉職したからだ。「軍人という職業は他のどんな職業ともちがう意味を持っている。負傷して運ばれて帰国した兵士たちを今朝、病院に見舞ったが、皆とても若く、フランスに忠誠心を誓い、これからもまた仏軍人として国に仕えたいと言っていた。」と動揺を隠せない様子。
フランスでもかつては兵役は義務付けられていたが、今ではすべて職業軍人だ。シャンゼリゼの軍隊パレードを見ていると外国人部隊や仏海外県の肌の褐色な兵士たちの堂々とした姿に改めてこの国が軍事大国であり、また軍事産業が重要かを知らされる。それは言い変えれば軍事産業を成り立たせるために軍事大国を選んだのか、それとも軍事大国だから、それに付随する産業を発展させたのか?ちょっと今、日本でかまびすしい原発の話に思いを馳せてしまう。
まぁ、いずれにしても今日はパリ祭。恒例の花火大会が今晩は全国各地で開かれる。そして明日からはバカンスに出発という人たちも大勢いるだろう。うるさいことは別にして、もっと楽しく景気よくパーっといきたいものだ。
写真 パリ祭の軍隊パレードの予行演習をする仏海外県の兵士たち。「HAKA」と呼ばれる、ひょうきんな振り付けは、この日のために考えだされたもの。今年のオープニングを飾る。 (写真 AFP通信)