2010.11.06
11月4日より3日間、中国主席の胡錦涛 ( Hu JINTAO ) がフランスにやって来た。サルコジ夫妻自らが飛行場までお出迎えという超VIP扱い。もみ手をしながら笑顔で握手をするサルコジ。それもそのはず、今回の最大の目的はAIRBUSの飛行機102機の購入(98億ユーロに相当)、原発最大手AREVAは10年間、2万トンのウランを供給(25億ユーロ)、加えてEPR次世代原発の共同開発も現在進行形。石油会社TOTALは中国の石油化学分野に20~30億ユーロ投資して中国エネルギー分野でもリードを狙う。そんな国家の屋台骨となる契約のためにわざわざ主席自らがお出ましになったのだから、サルコジ大統領がフルアテンドするなんてわけないことだ。
それにしても2年前の2008年、北京オリンピックの聖火を妨害したのはどこの国だっただろうか? ダライ・ラマと会談して少数民族を”人権”という名の下で保護すると声高に宣言したのは誰だったのか? 今年のノーベル平和賞で中国の人権活動家、劉暁波氏の授賞式をボイコットせよと欧州各国に書簡を送る国にどう対応すべきなのか? そういった諸々のことが”経済”という名の前ではすべて白紙撤回。本音と建前を平然とすみ分けるフランスの外交というものについて、ちょっと複雑な思いを感じた。
(写真 中国とフランスの国旗がはためくパリのシャンゼリゼ大通り)