2010.09.22
10月18-19日の二日間、恒例のイベント『文化遺産公開の日』がフランス全国で一斉に行われた。普段見ることの出来ないモニュメントや公共の建物などが無料で一般公開されるとあって、今年は2日間で約1200万人の人たちが訪れて大変なにぎわいを見せていた。なかでも大統領官邸の「エリゼ宮」や「ヴェルサイユ宮殿」「上院議員会館」などは常にトップスリー、それに加えて今年は「リド」といった有名な老舗キャバレーの舞台裏も公開された。
「エリゼ宮」を是非とも一生に一度は見てみたいと、ちょっと早起きして朝、8時半に行ったところ、すでにその行列は延々とコンコルド広場からシャンゼリゼ大通りにまで伸びている。意を決して来たのだからとその列に並ぶこと延々8時間。結局、入口の門に辿り着いたのは午後4時半。「一生に一度!」を何度も自分に言い聞かせながら辛抱強く待ち続けた。持参した本も読破。それでもお天気が良かったせいか並んでいる人たちも愚痴ってる様子もない。「年金改革」の話やサルコジの批判、最近、発刊されたカーラ夫人のスキャンダル本・・・など、下世話な話題に事欠くことなく結構、盛り上がってる。こんなところにも連帯意識がはたらくフランス人というのも面白い民族だ。ただ、私のすぐ後ろにいたフランス人夫妻は「エリゼ宮」を一目見ようとわざわざ汽車に乗ってノルマンディーの地方都市からやって来た。「今晩の5時の汽車で戻る予定なんだけど!」と最初は笑顔だったのが次第に顔つきが曇っていく。結局、入口の門に辿り着いた時には時間切れ。8時間の行列は一体何のためだったのだろうか!!
写真: 延々と長蛇の列が並ぶシャンゼリゼ大通り。エリゼ宮の食卓。サルコジ大統領の執務室。