2010.03.08
パリで誕生した市民参加型フェスタ『隣人祭り』も今年で20周年を迎えて、いよいよ5月26日にフランス全国の映画館で『隣人祭り』がロードショー公開されることが決定。早速、監督のダヴィッド・ハダッドさんにお会いして、どんな映画なのかをちょっと教えてもらった。
パリ郊外、モンルージュという町にあるDIG・image cinemaという映画会社の試写室。映像を見ながらダヴィッドさんは技術者のセルジュさんに1コマずつ何度もボビンを早回ししたり後戻しして画面の色や光を調整してもらっている。「設定は5月の夕方7時。もっと初夏らしく明るくして!この場面はちょっとサスペンス調に白黒にしよう・・・」ふーん、映画ってこんな風にして出来あがるんだ、思わず画面に釘付けになっているとダヴィッドさんが横から「どお、おもしろい?」と興味深々。
ストーリーは隣人祭りに参加してもらいたいと躍起になってるコンシエルジュ、でも住民はまったく無関心。そのやりとりが何ともユーモラスで可笑しい。自殺志願の若い女性や、住民とはいっさい関りを持ちたがらないアグッレッシブなおじいさん、TVを観ながら孤独死したおばあさん(実はこのおばあさんが曲者でとんでもない事をしでかしたことが後にストーリー展開で重要な意味をもつ!)・・・、みんなひと癖もふた癖もありそうな住民たちが一ヶ所に住まわなければならない現実に、そこから現代の悲喜劇が始まる!しかし、そんなコンシエルジュも1年後、都市開発によって住んでいたアパートも撤去されて失業に。そこから犯罪に手をそめて・・・と何だかストーリーは思いもかけない方向に展開していく。この続きは観てのお楽しみということで、ダヴィッドさんはいったいどうして隣人祭りに興味をもったのだろうか?
「隣人祭りの数日前からパリでは街中至る所にポスターが貼ってある。それを見て、これって映画なのかな?って思っていたらそうじゃない。隣人祭りというお祭りだということを知った。早速、創始者のアタナーズ・ぺリファンさんに会いに行ったら、実に市民同士のトラブルが結局は市民同士自らが解決していることを知らされたんだ。赤の他人でもおなじコミュニティーに住んでいれば決して他人じゃない。そこに何と言おうか、現代人の希望みたいなのがあるんじゃないのかなって・・・」
今年の隣人祭りは5月28日(金)に決定。丁度、カンヌ国際映画際の真最中で、この『隣人祭り』も会場で常時、上映されることが決まっている。すでにカンヌでは数何前からこの隣人祭りは開催されているが今年はハリウッドの俳優さんたちも隣人祭りに参加してくれたらどんなにステキに盛り上がることだろう!!