2012.01.01
恒例の仏大統領の年末挨拶が今年も12月31日の大晦日の20時に行われた。今年は大統領の任期最後の年にあたるサルコジ氏のメッセージ、最初から最後まで不況にどう打ち勝っていくかというトーン一色だ。 「来年からも失業者は増えていく。しかし彼らに失業手当を支払うのではなく、社会復帰のための職業訓練を行っていけるような仕組みづくりが必要である。」 「社会保障を支えていくためにはその財源である経済活動の活性化が不可欠である。景気回復が最大の焦点である。」
ここ数年前から生活保護(RMI)を廃止して、その代わりに連帯活動手当(RSA)という自立のための支援に移行しているフランス。また失業者をひとりでも減らすために企業研修制度を積極的に進めてもいる。しかし、こういった制度を作ることよりも失業者を生み出さないことが何よりも優先されなければならない。それには景気回復しかない。サルコジ大統領のメッセージにもうなずける。
かつてドゴール時代、64年の彼の演説がTVのVTRに映し出されたが”栄光の30年”と呼ばれた戦後復興期の最盛期。「世の中は建設ラッシュ。この好景気に沸くフランスの明日に向かって国民よ、もっと働こうじゃないか!」 そんなメッセージが今となってはなんだか遠い遥かなものに感じる。
とにかく来年が良い年でありますように!そして一刻も早く、被災地の復興を願うばかりである。
写真 エリゼ宮からTVを通じて国民に向かって挨拶するサルコジ大統領の恒例の年末行事